労働保険の適用事業
労働者に雇用保険や労災保険が適用されるかどうかについては、まず、労働者が働いている事業について雇用保険や労災保険が適用されるかどうかが基本となります。
雇用保険や労災保険が適用される事業のことを適用事業といい、原則として、雇用保険では労働者を1人でも雇用する事業、労災保険では労働者を1人でも使用する事業ならば適用事業となります。
したがって、わかりやすくいえば、給料を支払って働いてもらう人がいるのであれば、その事業所は適用事業であるといえます。
そして、労働者が雇用保険の適用事業に雇用されるのであれば、法令の定める適用除外に該当しない限り、雇用保険の被保険者となり、労働者が労災保険の適用事業に使用されるのであれば、法令の定める適用除外に該当しない限り、労災保険の適用労働者となります。
労働保険の適用が適正に行われることで、労働者は保護されるのですが、現実には、労働保険を適用すべきなのに未適用となっている事業所が存在しています。
労働保険の管理運営は、国が行っているのですが、労働者がいる事業所すべてを把握しているわけではありませんし、法令を守らない事業所についても同様です。
ここで問題となるのは、保険給付の事由となる事故が起こった場合に、労働者の権利が保護されるのかどうかということです。
労働者は、適用事業において労働しているのだから、公的保険である労働保険による経済的保障は当然であると考えています。
円滑に保険給付が受けられなければ、事業主に請求するだけでなく行政機関へ申告するでしょうし、事業主には罰則が適用される場合もあるでしょう。